次回のテーマは「私の好きな食べ物(とその思い出)」です。
いつも学生に書かせてばかりなので、自分でも書いてみました。
好きな食べ物は何かというといろいろあるが、今でも懐かしく思い出すのは、学生の頃、三日に一度ぐらいは食べていた「にいみ」の「さばみそ」だ。さばみそというのはその名前の通り、さばを味噌で煮たもので、伝統的な日本の家庭料理の一つといえるかもしれない。
さばは英語ではmackerelというが、すしの場合、そのまま生で食べることはなく、酢を使った「しめさば」として食べる。そんなさばをやわらかく煮たのがさばみそだ。
さて、その「にいみ」のさばみそは普通のさばみそではなかった。名物のさばみそは味はもちろん最高においしいのだが、ひじきやほうれん草のおひたしなど、身体にいいものがメニューにあるのもよかった。それに、なんといってもにいみの素敵なおばちゃんが最高だった。店はカウンターが7、8席ぐらいのこじんまりとした庶民的な雰囲気なのに、おばちゃんはまるで高級店のように気が利き、余裕があれば見送りしてくれたりするのだ。サービスは馴れ馴れしすぎたり、おしつけがましいということがなく、無駄がなかった。
卒業して数年ぶりに戻っても、顔を覚えていて「あら、久しぶり、お元気でしたか」と声をかけてくれる。言葉言葉づかいも商店街のおばちゃんのようにくだけずに、どことなく最近話題の気品のようなものを感じさせた。
日本に一時帰国した際などに、行くのがたのしみだったのだが、去年の夏に立ち寄ろうとしたら、閉店していた。この記事によると、入っていたビルが取り壊されることになってそれで閉まったらしい。なんとも残念だ。
おばちゃん、おいしいさばみそをいつもありがとう。
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